「片頭痛がひどくて…」いいえ、それは緊張性頭痛です！

 

新年あけましておめでとうございます。

今回はつらい頭痛について解説していきます。

片頭痛と緊張性頭痛の違い、雨の日に頭痛が起こりやすい原因も後半でお話します。

 

【片頭痛と緊張性頭痛】

まず、よくあるパターンとしては

「頭が痛くて病院に行ったら片頭痛と診断された」

です。

これによって、ほとんどの患者様が「自分は片頭痛持ちなんだ」と思い込んでしまいます。

しかし、よくよく話を聞いてみると、緊張性頭痛の特徴を訴える方が多いのです。

お医者さんがなぜ緊張性頭痛を片頭痛と診断したのかはわかりませんが、実際にこのパターンが一番多いのです。

まあ、お医者さんがそう言うならそうなんだろう、と患者様がなってしまうのも気持ちはわかります(笑)

ではそもそも片頭痛と緊張性頭痛の違いとは何でしょう？

箇条書きでわかりやすく比較してみました。

 

①痛む場所

　片頭痛…片側

　緊張性頭痛…両側か頭全体、後頭部

②痛む頻度

　片頭痛…週2回から月1回

　緊張性頭痛…月に15回未満、あるいは毎日

③痛みの種類と症状

　片頭痛…脈打つような痛み

　　　　　吐き気や嘔吐、感覚過敏(光や音やにおい)

　緊張性頭痛…締め付けられるような痛み、鈍痛

④原因

　片頭痛…血管が拡張し、血流量が増加して起こる

　緊張性頭痛…血管が収縮し血流量が減少して起こる

⑤その他の違い

　片頭痛…体を動かすと悪化しやすく、血流量が増える入浴や飲酒はNG

　緊張性頭痛…体を動かすと楽で、入浴すると頭痛がなくなっていたりする

 

これがすべてではありませんが、これだけでもわかるように対照的な違いがあります。

さらに片頭痛には「閃輝暗点（せんきあんてん）」という前兆症状が起こるケースもあります。

閃輝暗点とは、キラキラした光や漫画の効果線のようなギザギザした光が視界に現れたりする症状のことです。

これ以外に群発性頭痛という種類の頭痛がありますが、比較的まれです。

目の奥がえぐられるような耐え難い激痛で、目の充血や涙、鼻水などを伴う症状がほぼ毎日起こるようでしたら、おそらくそれは群発性頭痛です。

 

【ほとんどの頭痛が緊張性頭痛】

今まで片頭痛持ちだと思っていたけれど、症状と照らし合わせてみると私は緊張性頭痛かも…なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に肩こりがひどくなると頭痛がする、仕事が忙しく疲れが溜まると頭痛がする、といった場合は十中八九、緊張性頭痛です。

それは肩周辺の筋肉が固まってくると血流が悪くなってしまうので、頭部への血流量が減少してしまうことで頭痛を感じているのです。

逆を言うと、肩甲骨を動かし、肩周辺の血流量を確保していると症状が緩和、あるいは頭痛が起こらないといったことも可能性がありますので、普段頭痛を感じている方は肩甲骨のストレッチなどを試してみるのはいかがでしょうか。

 

【おまけ：雨の日の頭痛】

おまけです。

雨の日に必ず頭痛を感じる方っていらっしゃると思います。

朝から感じる人もいれば、日中から感じる方もいるのではないでしょうか。

 

雨の日に頭痛を感じた時、「やっぱり」って思ったことないですか？

 

「やっぱり雨のせいで今日頭が痛い…」

「雨降ってるからやっぱり頭痛がでてきた」

 

思い出してみてください。

頭痛を感じるのは雨の日だけですか？

おそらく雨以外の日にも感じているのではないでしょうか。

 

では、なぜ雨の日に頭痛を感じるのでしょうか？

もちろん気圧の変化で頭痛を感じる方もいらっしゃるので一概には言えませんが、半分以上の方は自分で「雨の日には頭痛が起こる」とセッティングしているからなのです。

どういうことなのか、これから解説していきます。

 

例えば、梅干しを見るだけでよだれが…って聞いたことありますよね。

あれは梅干しを見ることで脳がかつて食べた梅干しの酸っぱさをイメージしてしまい、実際に今食べていないにも関わらず酸っぱさに抵抗するため唾液を分泌しているからなのです。

おかしいですよね(笑)

想像に対して体が反応している反射なのです。

では、これを頭痛に置き換えてみましょう。

 

たまたま雨の日に頭痛を強く感じたり、朝から頭痛を感じており昼や夕方から雨が降り始めた。としたらどうでしょう？

ヒトは何かに関連付けたほうが記憶に残りやすいので、普段から頭痛を感じているのにも関わらず雨が印象として強く脳に残ります。

すると脳内では「雨のせいで頭が痛い」というイメージが出来上がってしまうのです。

 

そのイメージを持ったまま過ごしていると、だんだん雨の日に頭が痛いことが当たり前になってきます。

それはやがて反射に変わり、自分で「雨の日は頭が痛くなる」というセッティングをしてしまい、雨の日にはほとんどの確率で頭痛を感じてしまうことになるのです。

 

これが雨の日に頭痛を感じる理由です。

 

じゃあ、どうすればいいの？

 

記憶力の良いあなたなら、雨の日に頭痛を感じた時にこの記事をきっと思い出すことでしょう。

これは雨のせいじゃなくて血流の悪さなんだな、と気づければ、肩甲骨周辺の筋肉を動かしたりして改善に向けて一歩踏み出せるのではないでしょうか。

 

ありのみ整骨院　院長

永井